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第6話 手渡された誓いの花

Author: 柳 雪音
last update publish date: 2026-06-12 15:26:48

会場は一瞬で混沌と化した。

「撃たれた!?」

「誰が!?」

「まさか——」

悲鳴と怒号が、白い壁に冷たく反響する。

誰かが叫び、誰かが走り出す。

警備員たちが参列者を出口へ急かして、祈りの場だった大聖堂は恐怖の匂いで満たされた。

その混乱の中で、神崎怜だけが微動だにしなかった。

私は支えを失ったように、その場に崩れ落ちた。

ブーケが床に落ち、白い花びらが血の上に散る。

純白のベールが、床に張り付いた。

やがて騒ぎは遠ざかり、大聖堂に残されたのは私と怜だけになった。

革靴の音が、ゆっくりと近づいてくる。

怜が、私の前に立った。

濡れた黒鳥の羽のような漆黒の髪。

鋭さの中に憂いを帯びた瞳。

教会のステンドグラスの光に照らされて、残酷なほど輝いていた。

その視線から、どうしても目を逸らせなかった。

怜の低い声が、静まり返った大聖堂に落ちた。

「一条凛。

 ……お前を壊すのが、俺じゃなければよかった」

(…どういうこと?)

訳が分からない。

困惑する私を一瞥すると、怜はスッとダークスーツの胸元に手を伸ばし、白い薔薇のブートニアを外した。

それを、私に差し出す。

震える手で受け取ると、怜の指先
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